治験ってこんな感じ
治験に参加してきた
詳細な内容は公開できへんけど、どんな感じやったかだけでも書いとく
わたしはこれで2度目
1回目は2019年の末、大学辞めてすぐのころ
フリーのライターやってて、入院中も執筆できてダブルワークとか最高やんってことで
それで今回は転職の合間に
1月半ばで退職して次のとこが3月入社って言われたからその間暇あるしで2回目
書いてる内容はあくまでわたしが参加したやつのやから参考程度によろしく
ちなみにほとんどの第Ⅰ相試験(健康成人による治験)は男性限定やから注意ね
募集要項色々見てきたけど女性OKなのはいまだに見たことない
女性を対象とした治験は第Ⅱ相・第Ⅲ相試験(患者による治験)か、ごくまれに存在する「女性向けの薬」の第Ⅰ相試験だけって感じ
大まかな流れ
- 事前検診に参加
- 本試験参加資格GET(事前検診合格者)
- 薬の投与直前に最終検査を実施
- 本試験に参加(最終検査合格者)
最大の関門が最初の事前検診
応募するだけなら簡単やからかなりの人数がおるわけやけど、ここから一気に二十数名まで絞られる
基本的に本試験の被験者は20人で構成されるんやけど、直前キャンセルとかを考慮して+αが事前検診の合格通知をもらえるって感じ
で、投与直前の最終検査で20人を決定する流れ
それと事前検診の前からいろんな制限がかかる
飲酒・喫煙はもちろん、筋肉痛を伴う運動とか他の薬の使用とかが全部禁止になる(喫煙に関しては日常的に吸ってる人はそもそも応募できないものがほとんど)
どれくらいの期間禁止かってのは投与される薬にもよるけど、基本的に事前検診の数日~1週間前から本試験の最終日までの間は全くできないと思った方がいい
負担軽減費
そもそもの話、治験は労働じゃないんよ
法律上で「治験の参加者を金銭で募ってはいけない」って決まっててさ
やから給料じゃなくて負担軽減費(協力費)って呼ばれてたりする
よく治験バイトって言われるけど正確には誤りで、いうなら治験ボランティア
通院・入院とかもろもろの書類を書くために拘束される負担への対価ってことになってるわけ
たまたま出会った男女がたまたまそういう関係になる公衆浴場に近いものを感じるけど、まあ要するにそういうこと
わたしが参加したのは3泊4日が2回で15万円やった(事前検診とPCR検査の計2回の通院を含む)
夕方に集合して最終日は午前中に解散やったから、事前検診とかも含めたトータルでの拘束時間は実質6日くらい
1日あたり25,000円って感じやな
1回目も同じくらい
協力費については明確に基準があるわけやなくて製薬会社の裁量で多少は前後するんやけど、おおよその相場は存在する
今回みたいな数万円/1日のものともう1つはその倍以上のもの(入院はせずに日帰り通院だけで済むタイプはもっと安い)
前者は生物学的同等性試験(開発したジェネリック医薬品の薬物動態が先発医薬品と同等かを調べる)で後者は新薬と思われる
「と思われる」っていうのは、実際にどういう内容の試験なんかは事前検診に参加せんと公開されへんから実態はつかめてへんってこと
新薬はまだ認可が下りてへん完全に新しい薬やからリスク高くてその分協力費も弾むって感じ
モノにもよるけど抗がん剤とか免疫抑制剤とかの新薬治験は何かあったときさすがに怖すぎるからおすすめしない
逆にいうとジェネリックの治験は有効成分が先発医薬品と全く同じやから新薬の治験と比べるとリスクは段違いに低くて協力費も新薬ほど高くない
まあどっちを取るかは考え方次第やね
ちなみに事前検診に参加するだけで5,000円前後もらえる
だいたい2~4時間で済むから時給換算して考えれば事前検診で不合格でも別に悪くない報酬やったりする
事前検診に合格しても直前の最終検査で落とされると1~3万円止まり
ここまでこれたんなら何としても本試験に参加したいところ
合格基準
じゃあ具体的にどうすれば本試験に参加できるんか、合格基準はどうなってるんかってことやけど、言ってしまえばわからん
まず大前提として基準は全く公開されてへんし、不合格時に理由なんてもちろん教えてもらえへん
唯一わかることは、「各検査項目の数値が全て一般的な範囲よりもさらに厳しい(狭い)範囲内に収まってる」必要があるってこと
要するに、世間的な健康体以上に健康やないとあかんということ
とはいえ許容範囲がどこまで厳しいのかなんてわからんし、正直わかったところでどないしようもなかったりする
事前検診の内容やけど、大抵の治験では
- 身長体重測定
- 血液検査
- 尿検査
- 心電図検査
- 遺伝子型検査(一部で実施)
が共通して行われる
これはわたしがこれまで落ちた他の治験も含めた10回くらいの事前検診で共通してる検査
まあ身長体重は痩せすぎ太りすぎじゃなけりゃ大丈夫(BMIがヤバい人はそもそも事前検診にすら参加できない)
問題はその他
落とされる人はまず間違いなくここが引っかかってる
特に遺伝子型に関しては生まれ持ったものやからマジで無理なもんは無理
ちょっとでも合格率を上げるには遺伝子検査がない治験を応募した方がいい
ま、とにかく日頃から健康に気をつけて規則正しい生活を送りなさいってこと
スケジュール
参考までに今回の治験のスケジュールを紹介
あんまり詳しく書くとアウトやからある程度ぼかして
3泊4日が2回って上の方で書いたけど、Ⅰ期ではジェネリックと先発のどっちか、Ⅱ期ではもう片方が投与される
ジェネリックの治験は投与後の体内への吸収が先発医薬品と同等かどうかを調べるもんやから、Ⅰ期とⅡ期で投与される薬以外の条件は極力揃えなあかん
やから2期ともに7回の食事が全く同じやし、食事・薬の投与・採血の時刻も1分単位で揃えられてる
1日日
夕方集合
説明を受けて晩ご飯食べてそのまま就寝
2日目
朝から晩まで何もなし
ただただベッドで過ごすっていうガチニート生活が堪能できる
もちろん朝昼晩は出る
3日目
早朝に叩き起こされて各種検査をする
Ⅰ期ではこの検査結果次第で数名が脱落
朝食を食べる
ただし開始時刻・終了時刻が細かく決まっている
0830を起点として被験者番号1番から順に1分ごとに食事を開始し(0830に1番、0831に2番、...、0849に20番)、その後20分間かけて一定のペースでゆっくりと食べなければならない
4等分してそれらを5分ずつかけて完食するイメージ
普通なら数分もあれば食べられる量を十分咀嚼して飲み込む
今回は朝食時刻や所要時間まで細かく決まっていたが、これは薬による
※1回目の治験のときにはなかった指定
薬の投与
0900を起点として朝食と同様に1番から1分ごとに薬を投与する(朝食開始からちょうど30分後)
このタイミングから飲水・姿勢制限が課される
ベッドの背もたれを最大まで起こした状態で座り、脚は常に伸ばしっぱなし、もちろん立つことは禁止、水も飲めないし寝るのもNG
逆にベッドに座ってさえいればアニメ観ようが本読もうが誰かさんみたいに高校物理問題集を解いてようが自由
その後定期的に採血を行う
採血のタイミングは投与直後は15分おき、その後30分刻み・1時間刻みと徐々に間隔を広げる
採血の時刻も投与と同様に1番の被験者から1分ずつずらして行い、投与からぴったり15分後とか1時間後とかのタイミングで血を抜かれる
昼食のタイミングで4時間続いた飲水・姿勢制限が解除される(ただトイレ以外で立ち上がることは原則✕)
朝が早いのでこの直後から結構な人数が寝始めるが採血は継続して行われるのでそのたびに起こされる
この1日だけで採血は20回
全期間合計しても250mlと量としては大したことない(全血献血が400ml)が、毎回針を刺されるので苦手な人にとっては辛い
治験によっては留置針を用いるのでそれなら大丈夫かも?
夕食前に最後の採血があり食事後はそのままベッドでグダって就寝
4日目
起床後に各種検査を実施
全員の検査結果に問題がなければ解散
Ⅱ期の場合はこのタイミングで協力費が手渡しされて全日程終了
最後に
ある程度の日数を確保できるなら結構割りがいいから考えてみてもええかもよ
てか上でも書いたけど事前検診だけでもそこそこええ感じやしとりあえず行ってみるのもアリ
気になる人いればもうちょっと詳しいことも話せるから言うてな
おまけで20回針刺された腕の写真載せとく
あんまり気分のええもんやないから自己責任でどうぞ
刺した後の痛みが引かんうちに次の採血とか、看護師がミスって血管の裏側まで貫通させたせいで腫れ上がったりとかであちこちの血管を代わる代わるぶっ刺してく感じ
クスリはやってません